サブプライムとミシュランの共通点
November 26, 2007 1:30 PM written by

こんにちは。ロベルト本郷です。中間決算時期でほぼ死亡してました。さて、(いつもこうして平然とはじめてしまうのですが)・・・相場、ひどいですねぇ。
今日は、バリエーションから一旦はなれて、週末考えたことを書きます。
サブプライム問題に関して、私の投資の師匠が本を書きました。3-4年間、直接担当させていただいた間、一緒にAppleの本社にいき、カリフォルニアの住宅ローン会社にも訪問し、アメリカの宅建業者ともミーティングして、様々なことを教わりました。今はお互い異動し、直接の関係はありませんが、今でもときどきお話させていただいています。
彼の書いた本が先週発売されました。僕はもう読みましたが、なんだかリアルタイムで見てきただけに・・・リアルです。サブプライムという問題の本質をついた話となっていますので、ご興味ある方は是非。
» サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 [宝島社新書] (宝島社新書 254)
今でも↓のようなことを時々話しています。僕にとっては学ぶことばかりですが、彼にとって僕もAdd Valueでありたいと思っています。
» Doblog - おかねのこねた:日中米の賢楽投資で、老後は安泰! -
さてさて。題名の「サブプライムとミシュランの共通点」に関してですが、僕は以下のように考えています。
■ サブプライムは何故広がったか - トリプルAだから、安全なのか?
このコトバも、大分世間に浸透してきて、したり顔した評論家が乱発するバズワードになっています。要は、「本来だったらローンを組めないくらいの人に、貸しちゃったローン」のことです。
で、これが何で世界中に広まったかというと、2ステップあると思っていまして、(1) 証券化、(2) トリプルA格付け、だと思います。
まず、証券化ですが、これもざっくりといってしまうと、「貸した住宅ローンを細切れにして他の人に売りさばく」というものです。これにより、住宅ローンを貸した銀行は、すべてを自分で抱え込むことなく、他人にリスクを分散することで負わせることができます。
次に、トリプルA格付けですが、これら細切れにされたサブプライム住宅ローンは、一まとめにしてCDO(Cpllateralized Debt Obligation:債務担保証券)として売られていたわけですね。
このCDOは、格付け機関から、ほとんどの場合、「トリプルA」の格付けをもらっていました。なぜかというと、説明しだすとキリがないのですが、要は「サブプライムローンの担保優先順位の高いものを集めて分散投資している」からです。
ただし、このトリプルA格付けは、あくまで組成された時点のものであり、住宅価格が下がってきたら、当然返済順位が高いものだって、デフォルト(支払われるべき金が支払われないこと)するリスクは高まるものです。
僕は、サブプライムが広がってしまった理由は、「トリプルAだということを鵜呑みにして、自分で考えるのを放棄した」からだと思っています。
■ アナリストがBuyっていっている株だから、買っていいのか?
まるで自己否定しているみたいですが、僕自身も、仕事として、企業分析を行い、収益予想をし、目標株価(っぽいもの)を出し、相場と勝負しています(少なくともそのつもり)。でも、推奨のなかで、うまくいったものもあれば、まさに地雷を踏んだものもあります。
僕が普段話しているヘッジファンドのマネージャーさんたちは、僕の結論なんて、二の次です。
「お前は、この銘柄に対して、どういうアプローチで見て、どういうスタンスをとっているのか?」
「それに対して、俺はこう思うが、この意見に対して意見はあるか?」
みたいな議論ばっかりです。僕がBuyっていったからって、「あ、そうなんだ、じゃ、買っとこっと」なんてチョンボな客はいません。つかれるなぁ。
■ ミシュランの星がついているから、うまいのか?
ミシュラン東京版がこの間発売されました。僕がいくところは、「当日予約できる、素材と料理に対して値段がバリューである」というのが必須条件なので、あそこにのるようなところはそもそもいかないのですが、たった一箇所だけ、残念ながら星がついていたところがありました。当分いけないよ。まったくもぅ。
僕自身は、食に対するこだわりはそれほどある方ではないくせに、職業柄、いわゆる「クライアント☆ディナー」ってのがありまして、ミシュランに掲載されたような店にも何度か行く機会がありました。
そういうところは、うまいはうまいんだけど、僕にとって大事なのは、前述のように、「当日予約できる、素材と料理に対して値段がバリューである」、ですので、到底当てはまらないわけです。
- 築地のすし屋
- 小石川のイタリアン
- 新橋のビストロ(フレンチ)
- 銀座のおでん屋
- 本郷の魚料理屋
- 神保町のカレー屋
- 本郷のハンバーガー屋
- 水道橋の焼肉屋
- 新宿三丁目の韓国料理屋
- 丸の内のタイ料理屋
僕が外食するときは8割方このどこかです。時間があるときに、フラッと寄って、「うまいっすねぇ」っていって、帰る、と。
■ 「あなたは、どう思うんですか?」
サブプライムも、ミシュランも、アナリストも、「格付け」ビジネスです。それはあくまで指標であり、格付けした人の意見に過ぎません。
僕が大学のお師匠である、若松茂美先生にいつも聞かれていたことがあります。
「この本を読んで、あなたはどういう意見を持つか?」
金融リテラシーを鍛えるためには、思考を停止させてはいけないと僕は思います。「格付け」というのは、そこで思考が停止しかねない、甘美な響きがあります。
格付け機関はそれが専門だから?
アナリストは自分よりも会社に関して分析しているから?
ミシュランの審査員は世界中のうまい店を渡り歩いてるから?
・・・だから?
この「だから?」の続きを紡ぎ出していくのは、他ならぬ自分自身なのです。
【百式管理人のコメント】相場、泣きそうですよね・・・騒がれているサブプライム問題ですが、まだまだこれから、というような気が個人的にはしています。そうしたときに自分の資産はどこにどういう形であるべきか、を考えるにはまずは問題を自分で整理しないといけませんよね。
ロベルトがおすすめしている本、レビューも良いようでかなり惹かれました。早速購入したいところですが・・・Amazonでは品切れ中ぽい。本屋でさがしますかね。金融の人が読んでいる本に触れることがあまりないのでいつもながらためになります。
何が起ころうとも、自分で考え抜いた結果なら後悔はしないでしょうし、次に活かす事ができますよね。地道に勉強を積み重ねる意味でもロベルトの次の記事に期待したいところです。
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![サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 [宝島社新書] (宝島社新書 254)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/114P3ljcoRL.jpg)

