ねずみ講になぜ会員が集まるのか? ~ 流入資金と配当と運用の関係
October 5, 2007 7:25 PM written by Roberto Hongo

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さてさて、久しぶりの更新です。ロベルト本郷です。

昨日ニュースを見ていたら、ついにL&Gに捜査が入ったみたいですね。「円天」という仮想通貨もさることながら、「月利3%、年利36%、元本保証」というのに驚きました。何が驚いたって、「お前、そんなに運用がうまいのかYO!」というツッコミです。

前も書きましたが、株式市場の年間収益率が平均7~8%なのに、年率36%ってどんだけだよ、と。配当金を再投資していったら、5年で4.65倍ですよ。普通じゃない。バフェットも真っ青です。

なぜ、そんな与太話に1000億円も集まったのか?みなさんはどう思いますか?

僕が思うにそれは、「どんなねずみ講でも、最初はワークする」からです。1口10万円で、年間配当を2万円、スタート10人だと仮定すれば、1年目は、配当を20万円払えばいいわけです。だから、新規会員を2人増やせば、賄えます。

また、年利36%を謳わないで、月利3%というのは、年途中での入会をしやすくするためだと思います。

ねずみ講が儲かるのは、「会員数が増加しているとき」です。その会員数成長が止まれば、即、破綻します。

なぜなら、運用を放棄して、新規会員の投資金をそのまま配当に使っているわけですから。

・・・と、ここで、少し立ち止まってみました。

制度創設、会員募集

流入資金を原資に配当支払い→即配当支払い

会員順調に増加

増配

会員数更に増加

会員数成長ペースにかげり

苦しい

会員対象を拡大

しばらくはしのぐために会員をアグレッシブに拡大

配当支払いきれず、配当率下げ

皆怒る。脱退者が出てくる

終了ーーーーーーーー

以上がねずみ講の構造だとすると・・・ふむ・・・何かに似てますね。

【制度創設、会員募集】
1959年、第31回国会に国民年金法案を提出、国民年金法が制定され、1961年4月から施行。

【流入資金を原資に配当支払い→即配当支払い】
1959年11月当時70歳を超えている人等を対象に全額税負担の老齢福祉年金を支給。

【会員順調に増加→ 増配】
1966年に夫婦で1万円、1969年に夫婦で2万円、1973年に夫婦で5万円の年金が実現し、1982年には被保険者の資格要件の国籍要件を撤廃。

【会員数成長ペースにかげり→会員対象を拡大】
1985年、全国民共通で全国民で支える基礎年金制度を創設する年金制度の抜本的改革が行われた。1986年4月から、国民年金は、学生を除く(学生の強制加入は1991年4月から)20歳以上60歳未満の日本に住むすべての人を強制加入とし、共通の基礎年金を支給する制度になった。

【しばらくはしのぐために会員をアグレッシブに拡大】
1997年には、全制度共通の一人一番号制として基礎年金番号が導入され、各制度間を移動する被保険者に関する情報を的確に把握することにより届出の簡素化、未加入者の発生防止などが図られた。

【配当支払いきれず、配当率下げ】
2000年、長期に安定した信頼される年金制度を維持していくために、年金額改定方式や保険料免除制度の改正が行われた。
主な改正点 :年金額改定方式の変更(物価スライドのみで改定)

【配当支払いきれず、配当率下げ2】
2004年、急速な少子高齢化の進展が予想され、将来にわたり年金制度を安心できるものとするために、給付と負担の見直しや収納対策を徹底する改正が行われた。主な改正点 :保険料水準固定方式の導入(保険料水準の固定化)。

※ 出所:国民年金のWikipedia情報

こ、国民年金!?

僕の意見では、年金制度改革を本気でするならば、以下しか解決法はないかと思います。

  • 運用をする
  • 人口を増やす
  • (あるいは)元本確保して、返却する

社会保険庁だか市町村だかがチョロまかしてトンズラしているなんてレベルの低いハナシは論外ですが、そういう枝葉はサクッと終わらせて、本質論にいったほうが宜しいかと。

それでは。

【百式管理人のコメント】

さてさてねずみ講の話から・・・なんと年金に話が・・・今回も飛ばしています、ロベルト本郷。年金は個人的にも、もうなんか、あれですよね。ごほん、ごほん。

これから401Kみたいなのが普及していくかと思いますが、そうしたときにも金融の知識は必要になりますよね。円天のような話を聞いたときに「おかしくね?」と言い切れる金融的常識を常に持っていたいものです。

そのためにもどういった投資をすればどれぐらいのリターンが見込めるのかの感覚は持っているべきですね。そういう意味ではロベルトの「・・・株式市場の年間収益率が平均7~8%なのに・・・」というコメントは覚えておきたいところです。

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コメント一覧

ロベルトさん、こんにちは
年金は運用されています。
平成17年の収益額は9兆8,344億円です。

by サンチャゴ | 2007年10月07日 11:30

いつもわかりやすい解説をありがとうございます。
そうですよね。日本は人口も減少し始めてるんですよね。
やっぱり、年金はもらえなさそうですね(涙)。

by mikija | 2007年10月07日 16:42

> サンチャゴ-sama
コメントありがとうございます。
もちろん、私も年金が運用をまったくやっていないとは申していません(積極性が足りないという意味では放棄していると考えていますが)。今でも日本の証券会社の機関投資家営業の中心は年金(公的、企業)運用会社になっています。

しかしあえてこの比較を持ち出したのは、
1.日本の年金制度が、『開始→即配分』という制度をとったたこと
2.運用しても、結局は足りない(人口成長による加入者増に負けている)こと
3.配分率の下げなど、施策の打ち方が基本的にねずみ講の末期と似ていること
などからです。

私個人としては、年金はもう来ないものだと思って資産形成をしています。まぁ、色々言いたいことはありますが、日本は安全だから、その安全に対する代償として、納めた年金くらい、くれてやろうかな、と。(横領される覚えはないですがね)

by ロベルト本郷 | 2007年10月09日 08:32

> mikija-sama,
ありがとうございます。
人口動態というのはあなどれない減少です、、、
だからこそ、香港でもマカオでもモナコでもスイスでもシンガポールでも、国土が狭いというよりは人口の増加が限られている国は、
・ いかに投資をひきつけるか
・ いかに運用するか
という「投資立国」の国づくりをしているのだと思います(HK、マカオは国じゃないけど)。

by ロベルト本郷 | 2007年10月09日 08:35

いつも楽しませてもらっています。

最近習った言葉に「人頭税」
というのがありまして、
この解説を聞いて思ったのが年金でした。

良く知っている人からすれば、
全く違うものなんでしょうが。

by @わ | 2007年10月10日 10:33

年金は自分がもらう為に払うのではなく、誰かのために支払うのです。
年金は戻ってくるものではないのだと気づきました。

お金を増やしたいのなら、自分の責任で運用したほうがいいですね。

by ひらっち | 2007年10月11日 21:58

もう1点。
年金には国費(税金)が投入されています。
単純に支払額+運用益ではありません。

by | 2007年10月12日 12:46

> @わ-sama,
ありがとうございます。
人頭税、懐かしいですね、、、世界史の授業でならった覚えがあります。
「年金」っていうと返ってくるイメージありますが、「税金」っていいきっちゃえば、いいのかもしれませんね(いいのか?)
「年金給付」ではなく、「税金還付(返却)」とかにすれば得した感じに、、、ならんな。


> ひらっち-sama,
仰るとおりだと思います。
でも、途中で無駄に使われるのだったら、自分で運用して自分の親に支給してあげたいです。僕は 笑

by ロベルト本郷 | 2007年10月12日 21:09

> 匿名-sama,
ご指摘ありがとうございます。
もちろん、ことはそんなに単純なものではないですよね。
ただ、年金とねずみ講はその大まかな構造としては非常に似ていたので、取り上げてみました。

これからもよろしくおねがいします。

by ロベルト本郷 | 2007年10月12日 21:11

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