相場急落の後で(為替と株価のカンケー)
August 20, 2007 8:41 PM written by
お久しぶりです。ロベルト本郷です。この2週間、怒涛の毎日で何かコメントしたり、投資家と話したり、会社と話したり、てんてこまいでした。あまり忙しぶりっ子をしてもしょうがないのですが・・・忙しかったなぁ。
さて、8月17日の金曜日、会社訪問を終え、会社に戻ったら・・・「日経平均800円超安」の表示が・・・Wow!赤い「Please Call Back」のシートが10枚ほど・・・Wow!オイラの意見を聞いたところで相場は戻らんぜよ。
まぁ、これ↓を見れば、ヤバス、と思うわけですが。

ちなみに日経平均にほぼ連動しているのが、ドル=円のレート。同じ期間(07年YTD)でのグラフを見てみると・・・。

あらそっくり。
ということで、前置きが長くなりましたが、今回は『為替と株式市場』について考えてみます。
■ 為替と企業利益の関係
色々細かいことを挙げればキリがないのですが、為替と日本企業の利益の関係は、この一文だけとりあえず覚えておいてください。
『海外売上の大きい会社は、円安だと売上、利益が大きくなる(見える)』
つまり、円安局面のときは、輸出産業(自動車とかですね)が海外においては価格競争力の高い製品が展開できるため、売上・利益が伸びる、というわけです。
また、株式相場的には、通常多くの企業は為替の前提を『110円』とかにして利益予想を立てているので、ドル=円が120円を超えてくると、いわゆる『上ブレ決算』が見られるようになります。つまり、会社予想の売上・利益よりも良いものがでる(Positive Surprise)になるわけです。
逆に、円高になってしまい、今回のような110円ギリギリのところまで来ると『115円』とかで予想を出していた会社は、逆に為替による利益のマイナス影響が出てきてしまいます(下ブレってやつですね)。
『110円』で予想していた会社も、ずっと為替が120円のときには、『この会社、予想よりもいい決算でそうだぞ(為替要因で)』ということで上昇しますが、これが110円に近くなると、『おいおい、雲行きが怪しくなってきた』と売られるワケです。なお、金曜日はトヨタが-8%、ホンダも-8.2%下落しました。
■ 今回の為替変動のウラ
実は世界滅亡計画が進行していて・・・っていうのはウソです。
為替の場合、僕はドル=何円の絶対値よりも、変動の速度(変動率=ボラティリティー)を重要視しています。下のグラフは、ドル円スポットレートのボラティリティーグラフです。白い線が10日平均変動率ですので、一番振れが激しいです。

2月から3月にボラが上がっているのは、中国市場が急落したときですね。それ以外は、2~8くらいの間で恐ろしく「オトナシク」しています。
■ 為替変動率が小さいとき = 投資家が安心して「リスク」を取れるとき
(かなり)乱暴だけど、僕はこう解釈しています。よく『南アフリカランド債、年利10%!!』とかありますよね?
でも現地通貨と円のレートが10%変化したら・・・利益なくなってしまいますよね?為替が安定しているときは、『低金利の円で借りて高金利のドルとかユーロとかランドとかで運用』という行為が出来る(しやすい)わけです。
これが変動率が上昇すると、『一億総"ヤバス!"状態』になるわけです。
じゃぁ、為替のボラが上がってきたら、海外分散投資ってできないの?日本のトヨタは買えないの?
■ ちょっと待て・・・為替が100円になると、利益が全部飛んじゃうの?
んなわけないっす。1円のドル円変動でも、大きいところで営業利益の2~3%です。
■ 為替を"予想する"ことの愚
僕みたいな為替シロウトには、為替のトレーディングで儲けるなんて、世界で一番難しいと思います。
為替は、企業の利益だけでなく、国力、政策、政治、天災・・・その他すべてのリスクを入れないと、まともに予想なんてできないでしょ。
■ それでも為替リスク・・・と言う人へ
ずーっと昔まで遡って、ドル円が360円で固定されていたときから話をしましょう。
固定が外れたのは1971年8月(正確には12月だけど、アナウンスされたのは8月)。以来、ドル円レートは360円から、95年には一時80円まで円高になりました。つまり、ドルに対する円の価値は、4.5倍になったワケ。
ここで仮に、『360円で1億円をドルに換えて、S&P500のインデックスに投資し、95年の80円のときにインデックスを売って、全部円に転換』した人がいたとします。為替的には、相当相場観のない奴です。
- 1971年8月2日のS&P500の終値は、95.96です。
- 1995年4月18日(ドル円が80.63円をつけた日)のS&P500の終値は、505.37です。
つまり、5.27倍になっています。しかもこれは、配当による再投資を含んでいません。
仮に、S&P500の現状の配当利回り(この30年では低い方ですが・・・)の1.89%で、1971年から1995年まで24年間再投資したとすると・・・1.0189の24乗は1.57ですから、8倍は軽く超えてそうですね。
じゃぁ逆に、ドル=円360円固定相場制の直前に、日経平均に投資して、95年4月18日に売ったら?
- 1971年8月2日の日経平均の終値は、2,640.68です。
- 1995年4月18日の日経平均の終値は、16,225.11です。
つまり、「円高になれば、輸出国である日本企業が儲からなくなるから、株なんかに投資できん!」って言った人は、6.14倍のアップサイドを逃している、と(ちなみにこれも配当による再投資は含んでません)。
■ 相場なんて上がるときもあれば、下がるときもあるさぁ
短期的には、相場は大荒れ、皆オロオロ、です。僕の資産もやられました。アチャー。オロオロ。
でも同時に『さぁ、買える銘柄&市場がワンサカ出てきたぞー』とワクワクです。オロオロしながら、ワクワク。
僕は為替で儲ける、損するなんて考えてもいません。
『110円くらいでドルに換えられて、120円くらいで円に換えられるタイミングがあればラッキー』程度にしか見ていません。
それよりも10年で10倍になる会社・市場を世界中から探したほうが面白いと思いませんか?(←怪しいマルチ商法みたいな謳い文句ですが 汗)。
(続く・・・かな?)
PS. 『円高懸念でボコスカに株価が下落した優良日本企業』なんて、いいかも。
【百式管理人のコメント】最近の相場大荒れによりブログ更新どころではなかったらしいロベルトですが、今回は為替と株価についてのお話です。
個人的に昔から思っていた「為替予想って無理っぽくね?」を裏打ちする内容で安心しましたw。ただ、素人っぽい考えでいくと「最近FXってのが話題じゃね?」とも思うのでそこらへんを突っ込んでほしいところ。
本文では南アフリカランド債の話が出ていましたが、そこちょっとわからなかった・・・。もっと説明してほしいところです。忙しそうなロベルトですが、次回に期待したいところです。
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